日本禁煙学会雑誌
Online ISSN : 1882-6806
ISSN-L : 1882-6806
原著
母子保健施策を活用した妊娠期から育児期にある母親の喫煙・禁煙行動の縦断的調査
小林 淳子遊田 由希子赤間 由美森鍵 祐子
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2023 年 18 巻 1 号 p. 5-12

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抄録

【目 的】 妊娠期から育児期の母親の喫煙・禁煙行動の縦断的推移と再喫煙の実態を把握する。
【方 法】 対象は2015年度A市の1歳6か月児健診に来所し妊娠届出書、4か月児健診(4M健診)票、1歳6か月児健診(1.6Y健診)票の突合可能で喫煙状況の記載のある母親135名である。記録からデータ収集した。
【結 果】 喫煙率は妊娠届出7.4%、4M健診8.1%、1.6Y健診17.0%だった。喫煙・禁煙行動の縦断的推移は一貫して喫煙無しが55.6%で、妊娠届出まで禁煙した妊婦の69.4%は1.6Y健診まで禁煙継続した。1.6Y健診での再喫煙率は30.6%だった。
【考 察】妊娠届出まで喫煙経験のない妊婦は出産後まで喫煙しない可能性が高い。妊娠届出までに禁煙した妊婦には再喫煙が懸念され、タイムリーな支援が必要である。
【結 語】 若年からの喫煙防止対策が重要である。母子保健施策を活用した喫煙・再喫煙の実態把握と支援の効果が期待できる。

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