日本禁煙学会雑誌
Online ISSN : 1882-6806
ISSN-L : 1882-6806
18 巻, 1 号
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巻頭言
原著
  • 小林 淳子, 遊田 由希子, 赤間 由美, 森鍵 祐子
    原稿種別: 原著
    2023 年 18 巻 1 号 p. 5-12
    発行日: 2023/04/13
    公開日: 2023/05/25
    ジャーナル フリー

    【目 的】 妊娠期から育児期の母親の喫煙・禁煙行動の縦断的推移と再喫煙の実態を把握する。
    【方 法】 対象は2015年度A市の1歳6か月児健診に来所し妊娠届出書、4か月児健診(4M健診)票、1歳6か月児健診(1.6Y健診)票の突合可能で喫煙状況の記載のある母親135名である。記録からデータ収集した。
    【結 果】 喫煙率は妊娠届出7.4%、4M健診8.1%、1.6Y健診17.0%だった。喫煙・禁煙行動の縦断的推移は一貫して喫煙無しが55.6%で、妊娠届出まで禁煙した妊婦の69.4%は1.6Y健診まで禁煙継続した。1.6Y健診での再喫煙率は30.6%だった。
    【考 察】妊娠届出まで喫煙経験のない妊婦は出産後まで喫煙しない可能性が高い。妊娠届出までに禁煙した妊婦には再喫煙が懸念され、タイムリーな支援が必要である。
    【結 語】 若年からの喫煙防止対策が重要である。母子保健施策を活用した喫煙・再喫煙の実態把握と支援の効果が期待できる。

調査報告
  • 福島 啓, 野口 愛, 今村 翔太郎
    原稿種別: 調査報告
    2023 年 18 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 2023/04/13
    公開日: 2023/05/25
    ジャーナル フリー

    【目 的】 病院で禁煙のためのHPH(Health Promoting Hospitals and Health Services)活動を行うことで職員の喫煙率が低下するあるいはタバコに対する意識が改善するかどうかを調べること。
    【方 法】 日本HPHネットワークに加盟する病院のうち介入群として4病院、対照群として6病院に依頼し、2019~20年度のすべての職員(2,069名)を対象にした。介入群では、患者・地域・職員を対象にした禁煙のためのHPHプログラムを行った。研究開始前と終了時の喫煙率の変化を主要アウトカム、加濃式社会的ニコチン依存度調査票(KTSND)のスコアの変化を二次アウトカムとした。
    【結 果】 介入群(786名)の喫煙率は9.5%から8.4%、対照群(1,283名)の喫煙率は10.1%から9.0%と有意な低下はみられなかった。介入群のKTSNDスコアは中央値12(四分位範囲:8~16)から12(8~16)と変化なく、対照群のKTSNDスコアは12(7~16)から12(8~16)と有意に上昇していた(P=0.001)。
    【結 論】 禁煙のためのHPHプログラムによって病院職員の喫煙率とタバコに対する意識に変化はみられなかった。

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