日本禁煙学会雑誌
Online ISSN : 1882-6806
ISSN-L : 1882-6806
原著
水タバコによる能動喫煙および受動喫煙の曝露状況の評価
三好 希帆木村 佑来小庵寺 菜月久保 七彩川添 禎浩宮脇 尚志
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2024 年 19 巻 1 号 p. 11-18

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抄録

【目 的】 30分間の水タバコ喫煙による能動喫煙と受動喫煙の曝露状況を評価する 。
【方 法】 某水タバコ店において被験者2名が水タバコを30分間喫煙した 。 被験者2名および 、 店内にいた 非喫煙者2名(計4名)の呼気一酸化炭素(CO)濃度を 、 被験者2名の喫煙の前後で2回測定した 。 さらに 、 店内の空気の粒子成分(PM2.5 )の濃度とガス成分を測定した 。
【結 果】 能動喫煙した被験者2名の呼気CO濃度は 、 喫煙前がそれぞれ7 ppm、2 ppmであったのに対し 、 喫煙後は21 ppm 、9 ppmと 3倍以上上昇した。 非喫煙者( 受動喫煙者 )は曝露前が1 ppm、1 ppmであったが曝露後は6 ppm、8 ppmまで上昇した。店内のPM2.5濃度は喫煙開始前が14.7 ± 7.5μg/m3であったが 、 喫煙開始後は徐々に上昇し、2人同時の喫煙時は323.2 ± 190.4μg/m3と環境省の定める大気汚染に係る基準値を大幅に上回った。 また粒子成分・ガス成分いずれもコントロールの値と比べて有意に上昇した( いずれも p<0.001) 。
【結 語】 水タバコは能動喫煙・受動喫煙いずれの観点からも身体に影響を及ぼす可能性がある 。

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