日本禁煙学会雑誌
Online ISSN : 1882-6806
ISSN-L : 1882-6806
原著
大学生における愛着スタイルと喫煙の認容性との関連
入谷 智子
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2025 年 20 巻 1 号 p. 4-10

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抄録
【目 的】 喫煙をしている妊婦は、非喫煙者に比べ愛着が低い傾向にあること、また喫煙者は非喫煙者に比べ喫煙を認容する傾向が高いことが報告されている。そこで本研究では、愛着が将来の子どもの喫煙に予防的であるかを検討するため、加濃式社会的ニコチン依存度調査票(KTSND)を利用して、喫煙の認容性と青年期の愛着スタイルの関連性について調べることを目的とした。
【方 法】 スポーツ学部の大学生のKTSNDを従属変数、4つの愛着スコアを独立変数として重回帰分析を行った。
【結 果】 大学生394名に質問票を依頼し、212名(男性166名、女性46名)の回答を得た(回収率53.8%)。喫煙の認容性と4つの愛着スタイルには関連がみられなかった。
【考 察】 大学生の喫煙の認容性と愛着スタイルのいずれにおいても関連がなかった。喫煙の認容性は幼少期に築かれる愛着とは関連がなく、喫煙の認容性が構築される学童期以降の喫煙環境の影響が大きいことが考えられる。
【結 論】 大学生の愛着スタイルが喫煙の認容性に影響されないことが示唆された。
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