2014 年 9 巻 3 号 p. 41-49
【目 的】 喫煙が歯周病と歯科インプラントの危険因子になることを認識しているかの患者意識調査である。
【方 法】 2012年1月から12月に東京医科歯科大学歯学部附属病院インプラント科に来院した初診患者1,585人を対象とし、質問紙票(喫煙状況、喫煙による歯周病と歯科インプラントへの影響の認識、社会的ニコチン依存度(Kano Test for Social Nicotine Dependence : KTSND))を用いて調査した。
【結 果】 有効回答数は1,159枚(73%)であった。KTSNDにおいて、喫煙が歯周病の危険因子になると認識していたもの(621人、59%)と、歯科インプラントの危険因子になると認識していたもの(234人、23%) の値が、認識していないものより有意に低かった。
【考 察】 歯周病と歯科インプラントの危険因子を認識することは、喫煙状況と意識に影響を与えることが示唆された。
【結 論】 喫煙が歯周病・歯科インプラントの危険因子になる認識をあげるためには、インフォームドコンセントと患者教育を充実させる必要がある。