抄録
【目 的】 「自動車の運転等危険を伴う機械の操作を制限する」とした2011年7月のバレニクリン添付文書改訂が禁煙外来診療に与えた影響を調査すること。
【方 法】 当院の禁煙外来を受診した126名を対象とした。改訂前(2010年10月~2011年6月)および改訂後(2011年7月~2013年1月)でのバレニクリンとニコチンパッチの処方率および禁煙成功率を調べた。
【結 果】 バレニクリン処方率は改訂前92.6%、改訂後79.2%と有意に減少していた。禁煙成功率は改訂前74.1%(バレニクリン76%、ニコチンパッチ50%)、改訂後65.3%(バレニクリン70.2%、ニコチンパッチ46.7%)と低下傾向であったが有意差は認められなかった。改訂後におけるニコチンパッチを選択した最多の理由は車の運転あるいは機械操作が必要(53.3%)であった。
【考 察】 上記改訂によりバレニクリン処方率が減少したのは予想通りであった。禁煙成功率には明らかな減少は認められなかったが、海外に比べて厳しい規制を設けていることは禁煙補助薬の選択肢を減らし、患者に不利益をもたらしている可能性がある。
【結 語】 バレニクリン処方時に運転等を一律に禁ずるのではなく、海外と同じく、バレニクリン内服後にふらつきや意識消失などを認めなければ運転は可能といったような条件付きで許可されるべきである。