2024 年 10 巻 1 号 p. A_25-A_34
自動車と電動キックボードが混在する道路空間において、安全性や円滑性の確保が求められている。そこで本研究では、幅員構成の違いが、電動キックボードを追い越す自動車走行挙動に及ぼす影響、ひいては追い越しに関わる安全性と円滑性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし、幅員の異なる 5 路線において計測を行った。その結果、電動キックボードと自動車を安全かつ円滑に共存させる上では、普通道路程度の幅員構成よりも狭い場合は安全性と円滑性が低下すること、幅員が広い路線では離隔距離は 1.5m 以上確保できやすく安全性については大きく問題にはならないものの、自動車走行速度が高い場合ではとりわけ円滑性に留意する必要があることなどを明らかにした。