2024 年 10 巻 1 号 p. A_49-A_57
近年 SA/PA が観光地化する一方,駐車場不足が社会的な問題になっている.特に大型車両については,物流業界で運行管理が厳格化したことで SA/PA への立ち寄り回数や利用時間が増えていることや,ダブル連結トラックや隊列走行などの長大車両運用のためのスペースが逼迫していることが問題となっている.本論文では,東名と新東名を管轄する NEXCO 中日本の ETC/FF(ETC Free Flow)データを分析する.ETC/FF データとは,SA/PA の出入り口に駐車場の混雑状況を把握するための路車間無線通信機器を設置し,その履歴から,個々の ETC 車両における SA/PA 入出時刻や IC 入出時刻が把握できるデータである.SA/PA の利用特性に関するモデルを用いて,大型マスにおける混雑への影響を把握し,シミュレーターを用いて高速道路 SA/PA の駐車需要分散施策の効果を確認した.