2024 年 10 巻 1 号 p. B_27-B_31
高速道路の老朽化に伴い工事規制が増加する中、工事規制材に接触する事故は増加傾向にある。近年普及が進んでいる先進運転支援システムは、ドライバーの運転を支援し事故を減少させるものであるが、ドライバーが先進運転支援システムに頼り漫然運転が誘発される一方で、先進運転支援システムで工事規制材を検知できないために、工事規制材に接触する事故が増加していることが想定される。本研究では、高速道路の工事規制材に対する先進運転支援システムの反応について、確認する実験を行った。実験では、5 種類の工事規制材に対して、6 車種を用いて、警報の有無と車両機能による停止を確認した。その結果、通常の工事規制材に反応することとは少なく、矢印板を 4 枚組み合わせた特殊なものに対しては、ブレーキ警報や前方接近警報が発せられたものの、車両停止機能の発動は 1 車種で 1 回のみであり、先進運転支援システムによる工事規制材への接触回避は期待できないことが明確となった。