2024 年 10 巻 3 号 p. A_9-A_14
本研究は、坂路部、特に上り坂ではふらつきにより自転車と自動車の離隔距離が十分に確保できない懸念から、坂路における実際のふらつきと速度を異なる複数の勾配区間において計測を行った。その結果、上り勾配では急勾配になるほどふらつきの平均値、最大値ともに大きくなることが示された。一方で下り勾配では急勾配になるほどふらつきの値は小さくなる傾向が示された。また男女別では女性の方が、日ごろの乗車経験の有無別では乗車経験のないグループの方が、ふらつきの値が大きいことが示された一方、ふらつきの回数については男女間では大きな差がないことが示された。以上から特に急勾配区間では上り勾配において自転車走行空間の幅員を広くとる必要性を示した。