2026 年 12 巻 5 号 p. 1-7
この研究は、自転車の車道走行か歩道走行かの選択行動について、人々の法令遵守に対する意識や運動に関係する身体感覚の差異との関係を探ることを目的としている。これを主題とした理由は、日本の道路交通の実情において、自転車の通行位置は、法令では車道が原則であるにもかかわらず、歩道を走行する人々が多数いて、しかもこの違反行為が取り締まられない状態がどのように成立しているのかに関心を持ち、法令規則と人々の意識や感覚との間にズレがあると考えたからである。筆者は約 500 名のアンケート回答を分析し、その結果、大多数の者が自転車の車道走行を危険と認識した上で、車道を走行するか回避するかの選択には、順法意識との関係は薄く、一方,運動に関わる身体感覚との関連性が認められることを見出した。