2022 年 8 巻 2 号 p. A_114-A_120
大規模小売店舗の立地に起因する渋滞の発生により,店舗周辺の交通環境の悪化が問題となっている.本研究はその中でも特に生活道路に面して出店している店舗に対し,継続的な事後調査を実施することにより,出店後の交通課題を分析した.その結果,ピーク 1 時間あたりの来店車両台数は予測値を上回っており,加えてこの 4 年間で増加傾向にあった.一方 1 台あたりの駐車時間係数は指針値を大きく下回っており,結果的に駐車整備台数を超えていないことを明らかにした.また来退店車両の方面別割合では平日で誤差が大きいこと,来退店経路では予測時は想定していなかった生活道路を経由するものが継続的に一定の割合で観測され,事前の経路設定とそれに基づく対策に課題があることを明らかにした.