交通工学論文集
Online ISSN : 2187-2929
ISSN-L : 2187-2929
特集号B(実務論文)
ラウンドアバウト試行運用中における自動車利用者の意識変化と挙動に関する分析
伊藤 大貴山田 怜旺鈴木 弘司
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2022 年 8 巻 2 号 p. B_63-B_70

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抄録

本研究では,名古屋市中区に位置する交差点で実施されたラウンドアバウト(RAB)試行運用について,各種調査に基づき,試行運用中の自動車利用者の意識変化や交通課題について分析した.インタビュー調査より,RAB 流出時ウインカー点灯の通行ルールの認知度が高くない状況であるとわかった.テキストマイニング分析より,自動車の減速に関する因子が交差点に対して好印象,交差点の通行ルールや戸惑い,不安感の因子が悪印象と,利用者の慣れやルール認知度が印象と関連することがわかった.外部観測や実走調査より,流出時のウインカー点灯割合が,試行運用開始から3 ヶ月後でも利用者の約3 割と低い状況であり,また,自動車の環道内通行位置については6 割以上の車両がエプロン上を通行しているなど,運用や構造上の改善余地があることを示した.

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© 2022 一般社団法人 交通工学研究会
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