交通工学研究発表会講演集
Online ISSN : 2760-2400
一般社団法人 交通工学研究会
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第 45 回 交通工学研究発表会
走行車両重量計測設備におけるデータ品質確認手法
宮本 啓旦西田 秀志佐藤 尚良松尾 久美子松岡 謙介関谷 浩孝
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会議録・要旨集 認証あり

p. 578-584

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抄録

道路インフラに大きな影響を及ぼす重量違反車両の抑制を目的に有料道路料金所や道路本線において多数の走行車両重量計測設備(以下、WIM)が導入されている。WIM の定期点検では、予め静止時の重量を計測した試験車両を数十回走行させることで精度や稼働状態を確認するが、多額な費用が必要となっている。一方、走行車両の重量分布は法律で定められた限度値付近に集中することが想定され、これを利用することで WIM の劣化を検出できることが欧米で提案されている。本研究では、日本国内の国道に設置された WIM で計測されたデータに当該手法を適用し、基準の設定、分布の抽出、特徴量の検出手法の検討、および安定性の評価を行った。その結果、国内の大型車両において代表的な車種である 3 軸、4 軸単車を対象に、道路法車両制限令の最高限度値(20t、22t、25t)と空荷(12t)に分布の特徴(ピーク)があることを確認した。これを基準値(全 6 基準)とし、過去 6 年間の計測データ(9 地点、20 車線)に対して安定性の評価を行ったところ、3 つ以上の基準で限度値±10%以内(2σ)に全車線が収まっていることが確認できた。本手法を自動化することにより、試験車両の走行を必要としない継続的で効率的な WIM の定期点検が可能になると考える。

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