日本政府が自動運転システムの社会実装に取り組む中、物理的な道路インフラの改良が自動運転システムの技術的難易度を低下させ、安全で低廉な自動運転システムの実現を促進する可能性がある。これに着目する本研究においては、千葉県柏市での実証実験を通じて、自動運転バスの走行空間改善のため、ラバーポールの設置、停止線位置のセットバック、導流帯形状の縮小、路面標示の設置、乱横断対策、バルブアウト構造、自己位置推定支援設備の設置・配置といった方策を試み、その効果を検証した。この結果、これらの方策は、自動運転バスの手動介入の減少や交通の安全性向上に寄与することが確認された。さらに、アンケート調査を通じて、これらの方策に対する地域住民や道路利用者の受容性も確認し、走行空間改善に向けて有効な知見をまとめた。