抄録
本研究では,ヒヤリハット調査により算出した交差点の人対車両事故の死亡事故リスク地点について,道路形状別で周辺施設・交通規制情報を用いて要因分析を行った.従来のヒヤリハット調査による死亡事故リスクから対策必要箇所を算出する方法に加え,ヒヤリハット指摘の無い交差点まで含めて対策必要箇所を検討するものである.各交差点について道路構造にてクラスター分析により分類を行った.抽出されたそれぞれの交差点クラスターについて周辺建物・規制状況による死亡事故リスクへの影響要因分析を行った.この結果,それぞれの交差点特徴における死亡事故リスクへの影響要因を把握している.これらの結果を用い,ヒヤリハット指摘のない交差点の死亡事故リスクを算出したところ,新たに 25 箇所の交差点について危険箇所と推計された.