交通安全危険予知訓練 (KYT) 後の中長期的な追跡調査によって,参加者に望ましい交通行動変容があったことが報告されているが,これがどのような要因によるものかは明らかになっていなかった.本研究では交通行動変容にKYTが与える効果を検証することを目的として,KYT教材種別・交通安全意識などを予測変数とする交通行動変容順序ロジットモデルを構築した.2020年度・2021年度に実施したKYTで得たデータを用いて分析を行った結果,以下の2点が明らかとなった.1) VR教材での学習は対照群と比べて道幅・カーブミラー確認・後方確認・右側通行に有意な効果がある,2) 写真教材での学習は対照群と比べて左右確認・道幅・カーブミラー確認・後方確認・右側通行に有意な効果がある.