筆者らは、運転能力に必要不可欠である有効視野を簡単に測定して、繰り返しトレーニングをすることで有効視野を回復させることが可能な支援ツールとして「有効視野テスト」を開発した。本研究では、高齢者を対象に、「有効視野テスト」及び「視力検査」と「運転ぶりテスト」の実験を行い、「有効視野」は「視力」と異なることや「有効視野」と「運転ぶり」との関係について明かすことで、高齢者運転の安全対策としての「有効視野テスト」の有用性を検証し、活用方法について論じる。高齢ドライバーが「有効視野テスト」結果のフィードバック情報を理解していただいて、より安全な運転に役立てていただくとともに、繰り返し練習をすることで有効視野が拡大できれば、高齢ドライバーの交通事故防止にも寄与することが期待される。