抄録
高齢運転者は加齢に伴う視覚性能の変化や反応遅れ、確認行動の不足など、身体能力の低下が適切な運転プロセスの履行に影響を与えている。これまでの研究では運転プロセスの中で視覚性能・脳活動・操作に関わる身体能力を一体的にとらえて実態を評価している研究はみられない。そこで本研究では単路走行シミュレーション走行におけるアクセルからブレーキへの踏み替え操作を対象に、年代別に当該運転挙動に影響する身体活動の影響度合いを分析した。その結果、非高齢者では認知・判断・操作を司る身体能力との関連性がみられ、高齢者はブレーキ操作時間とそれぞれの身体活動との結びつきが弱く、特に『判断』における身体活動が確認できなかった。今後、高齢運転者には運転プロセスの繋がりを意識したトレーニングの必要性が示唆される。