抄録
自動運転車は、車線維持支援システム(LKAS)を作動して高速道路を走行するが、区画線がかすれている箇所では車載カメラが区画線を検知できず、 LKAS が正常に作動しない場合がある。本研究では、区画線の剥離率と LKAS の作動状況との関係を把握するため、試験走路に剥離した区画線を整備し、区画線の剥離率を事前に特定後、複数車種の車両を繰り返し走行させて LKAS の作動状況を実測する実験を行った。その結果、本実験の条件下では、 LKAS の作動・非作動の境目となる区画線の剥離率は、晴天の場合では 75%程度となることを明らかにした。また、 LKAS の作動に影響する条件として、「時間」、「天候」、「走行方向」があり、「昼間」、「晴天」、「昇順方向(区画線の剥離率が高くなる方向)」の場合に LKAS作動率が相対的に高くなることを明らかにした。