交通工学研究発表会論文集
Online ISSN : 2758-3635
第44回交通工学研究発表会
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第 44 回 交通工学研究発表会
地方部デマンドタクシーの社会的価値の定量評価
ークロスセクター効果分析に基づく福井県あわら市の事例ー
菊池 武晴吉村 朋矩三寺 潤杉浦 宏季
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p. 705-710

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抄録

近年地方部では乗用車普及と人口減少等のため、鉄道やバス等の公共交通の採算悪化による路線廃止が増加している。そこで発生する交通弱者の移動需要については、自治体の責任と財政支出のもと、コミュニティバスやデマンドタクシーがカバーしてきた。今後の高齢化の進展とともに財政制約が強まる中で、地域公共交通が果たす社会的価値を可視化する手法としてクロスセクター効果分析が注目されている。本稿では、福井県あわら市デマンドタクシーを対象にクロスセクター効果を算出し、現行財政支出額を大きく上回る5,800万円超の社会的価値があることを示した。また、これまで評価が難しいとされて算出対象から除外されることが多かった、環境面、交通安全面の価値を定量評価する試みを行った。

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© 一般社団法人 交通工学研究会
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