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特集1
創薬の未来を拓く クライオ電子顕微鏡
国立研究開発法人科学技術振興機構
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2019 年 2019 巻 9 号 p. 3-7

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抄録

たんぱく質など生体分子の3次元構造は、生命科学や創薬の研究に欠かせない基盤情報である。ここ数年で飛躍的に増加しているのが、クライオ電子顕微鏡によるたんぱく質の構造解析数だ。「クライオ(低温)」という名の通り、生体分子を低温に急冷することで生のままの観察を実現した。東京医科歯科大学の藤吉好則特別栄誉教授と日本電子は、日本で最初にクライオ電子顕微鏡を開発し、30年以上にわたって改良を重ねてきた。最新の装置には、従来は困難だった脂質膜中のたんぱく質の構造解析を可能にする新たな技術を搭載している。たんぱく質や薬剤の3次元構造を世界最高レベルの分解能で解析できると注目が高まっている。

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