こころと文化
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原著論文
制度を使う精神療法の異質性の源流とその治療的な意味の検討―François Tosquellesの来歴から―
橋本 和樹
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2026 年 24 巻 1 号 p. 39-49

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抄録

本稿では,制度を使う精神療法における異質性の概念の導入の経緯とその臨床的な意味をFrançois Tosquellesの来歴を通して考察する.そこにはTosquellesの生まれたReusの風土と彼が生まれ育った時代の社会的状況,そして彼の精神分析家Sandor Eiminderらとの出会いが大きく影響していた.Tosquellesがフランスに亡命したのはVichy政権下であり,当時のフランスの精神医学はほとんど機能していなかったばかりか多くの患者が餓死している状況だった.そのような状況下で,彼はこの異質性を治療環境に取り入れるために「迎え入れ」を合言葉に病院の変容を試みた.そしてこの異質性は1)利用者それぞれの差異を治療に活用すること,2)ミーティングにおける多角的な視点,3)言語の詩的機能に着目することにより病院を精神療法的環境に変容することに役立っていた.

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© 2026 多文化間精神医学会
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