脳卒中
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原著
無症候性未破裂脳動脈瘤手術患者における抑うつ症状の推移と高次脳機能に及ぼす影響
大瀧 雅文鰐渕 昌彦金 相年斎藤 久泰今井 浩平
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2009 年 31 巻 6 号 p. 453-457

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抄録

【目的】無症候性未破裂脳動脈瘤の治療前後における抑うつ症状の推移と,その高次脳機能に及ぼす影響について前方視的に検討した.【方法】2003年8月以降,天幕上アプローチを用いて直達手術を施行した無症候性未破裂脳動脈瘤の連続100例を対象とした.高次脳機能検査としてWAIS-Rと仮名ひろいテストを,抑うつ症状の評価でSelf-rating Depression Scale(SDS)を術前,術後2カ月と1年に行った.【結果】術後2カ月の転帰は97例でmRS 0であった.WAIS-Rのtotal IQと仮名ひろいテストの得点は,術後2カ月,1年ともに有意に増加していた.一方,SDSは術前・術後で変化を認めなかった.SDSと術後の高次脳機能の変化を解析すると,術前および術後8週で抑うつ状態の強い群で術後8週のWAIS-R total IQの低下が大きく,それぞれ負の相関があり有意であった.【結語】手術治療の高次脳機能に及ぼす影響は少ない.しかし術前や術後早期に抑うつ症状が強い場合,術後の高次脳機能に悪影響を与える.

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© 2009 日本脳卒中学会
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