2024 年 46 巻 5 号 p. 373-379
中大脳動脈開存型の急性内頚動脈閉塞(isolated ICA occlusion: isolated ICAO)はWillis動脈輪を介した側副血行のため,神経予後は良好である場合が多いが,血栓のdistal migrationにより急激な神経症状の増悪を来すことも知られており,血行再建術の際にはdistal migrationに留意した治療戦略を要する.我々はisolated ICAOに対しflow reversal法を併用し血栓回収を行い,良好な再開通を得たにもかかわらず広範梗塞に至った1例を経験した.再開通直後の脳血管撮影およびarterial spin labeling(ASL)の所見からno-reflow現象による症状増悪と診断,また高血糖曝露に伴う微小循環障害がno-reflow現象の主因と考えられた.頭頚部血行再建術においてもno-reflow現象の病態理解は不可欠と思われる.