脳卒中
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大脳白質病変の成因と臨床
今泉 俊雄
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論文ID: 10354

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抄録

要旨:White matter lesion(WML)は,高血圧性のmicroangiopathy,amyloid angiopathy による脳灌流障害や脳血液関門の障害などが原因であり,進行性の病態である.最近WML の成因に関連する遺伝子のいくつかが同定され,複合的な成因が理解されつつある.多くの高齢者に点状のWML が見られ,軽度のWML は加齢現象と考えるのが適切かもしれない.しかしWML 進行例では,臨床的に問題を呈し,注意深い経過観察,関連する危険因子や疾患の治療が必要である.WML 進行例は,脳卒中(特に脳内出血,ラクナ梗塞)の発症率,再発率が有意に高く,WML は脳卒中発症の危険因子として重要である.しかし,脳内出血発症率の高いWML 進行例の抗血栓療法についての指針はなく,今後更なる検討が必要である.またWML は,アルツハイマー型認知症,脳血管性認知症,うつ,不定愁訴などに関連する.

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© 2015 日本脳卒中学会
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