脳卒中
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単施設における小脳出血171 例の検討
舟越 勇介山田 哲久名取 良弘今本 尚之井上 大輔森 恩
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論文ID: 10487

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抄録

小脳出血は予後不良の疾患であるが,症例によっては迅速な対応と適切な治療により,生命予後だけでなく機能予後も期待できる.当施設は人口43 万人の本地区唯一の三次救急施設であり,重症脳出血患者が集中する施設である.本研究では当施設の小脳出血の入院症例を検討し,本地区の小脳出血の治療状況を明らかにした.対象症例は2005 年1 月から2016 年6 月までの期間で,発症前のmodified Rankin Scale(mRS)が3 以上の症例を除外した,小脳出血の入院症例171 例とした.対象症例の平均年齢は72.2±10.6 歳と高齢であり,退院時mRS が3 以下の転帰良好群は54.4%であったが,2 以下に限定すると18.7%に留まった.第四脳室が閉塞している症例や脳幹周囲クモ膜下腔が消失している症例では,手術加療が有意に転帰を改善した.また,高齢者では入院中の合併症が多く,予後不良であることが示唆された.

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© 2016 日本脳卒中学会
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