脳卒中
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複数回の脳卒中後にラクナ梗塞の再発を契機に発症したparoxysmal sympathetic hyperactivity にintrathecal baclofen が有効であった1 症例
水戸部 祐太齋藤 佑規菊地 善彰竹村 直園田 順彦
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論文ID: 10526

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抄録

Paroxysmal sympathetic hyperactivity(PSH)は発作性・反復性に交感神経過活動を来す疾患で,一過性の場合は比較的コントロール可能だが,遷延化する場合予後不良である.多くは重症頭部外傷後に発症し,自律神経中枢の障害によるとされているが,今回プロテインC 欠乏症による多数回の脳卒中後PSH を呈しintrathecal baclofen(ITB)が有効であった症例を経験したので報告する.症例は51 歳時に脳梗塞で初発,その後脳出血やラクナ梗塞を繰り返したが自宅で生活していた.60歳時に四肢硬直が断続的に出現し搬送.数日で全身痙縮になり,高熱,発汗過多,頻脈が持続した.痙縮治療目的で発症6 週にITB を施行したところ,痙縮のみならずPSH も劇的に改善した.病変が多発する場合,小病変でもPSH を発症することがあり,ITB はPSH の治療にも有効である可能性が示唆された.

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