論文ID: 10551
日常会話で明らかな問題を示さない軽度の失語症を見過ごさないために他の神経心理学検査を用いた代わりの方法について検討した.対象は標準失語症検査(Standard Language Test of Aphasia: SLTA)総合評価尺度が10 点であった脳卒中患者33 名で,失語症に特徴的な症状の有無から失語群と非失語群に分け,種々の神経心理学検査の得点を比較検討した.その結果,失語群は非失語群に比べ,Frontal Assessment Battery とWord Fluency Test で低値を示した.決定木分析を実施したところ,Word Fluency Test の結果により失語症の有無を判別できる可能性が示唆された.