脳卒中
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アピキサバン内服下でTrousseau症候群を発症しヘパリンの皮下注で良好なコントロールが得られた1例
佐野 博康赤嶺 壮一
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論文ID: 10811

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抄録

要旨:73歳男性.1年ほど前に人間ドックで不整脈を指摘され,心房細動の診断でアピキサバン 10 mg/日を開始し,以後規則正しく内服していた.受診2日前に物の名称がうまく出てこず,症状は改善傾向であったが当科を受診.神経学的に異常を認めず,頭部MRIで多発する新規梗塞を認めた.採血では凝固・線溶系の異常高値があり,胸部CTにて腫瘤性病変を認め当院入院となった.入院時よりアピキサバンを未分画ヘパリンに変更し,自宅退院に向け皮下注へと変更した.生検の結果,肺腺癌と診断された.その後,外来通院となっているが脳梗塞の再発なく,凝固・線溶系マーカーも低値にて経過している.今回,アピキサバン内服下での脳梗塞を発症したTrousseau症候群が,ヘパリンの皮下注で良好にコントロールできている1例を経験したため報告する.

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