脳卒中
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脳梗塞治療中にクモ膜下出血と出血性梗塞を合併した奇前大脳動脈解離の1例
赤塚 和寛服部 直樹富田 稔池田 昇平森 悠
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論文ID: 10815

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抄録

要旨:症例は62歳女性.突然発症の下肢優位の右片麻痺と意識障害を主訴に当院へ救急搬送された.頭痛の訴えはなかった.頭部MRI画像では両側前大脳動脈領域に脳梗塞を認めた.MR angiography(MRA)にて,前大脳動脈に dilation and stenosis を認めたため,前大脳動脈解離を疑った.脳血管撮影検査や3次元CTアンギオグラフィー検査により,前大脳動脈の A2 segment から1本の共通幹となり,A2 segment に pearl and string sign を認めたことから,奇前大脳動脈解離と診断した.脳梗塞治療中にクモ膜下出血と出血性梗塞を併発した.両側前大脳動脈領域の脳梗塞では,非常に稀ではあるが奇前大脳動脈解離を考慮する必要がある.

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