脳卒中
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院内発症脳梗塞の診断・治療遅延因子
鈴木 祐秋山 久尚星野 俊鹿島 悟原 大祐土橋 瑶子伊佐早 健司櫻井 謙三眞木 二葉長谷川 泰弘山野 嘉久
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論文ID: 10834

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抄録

要旨:【目的】院内発症脳梗塞の診断・治療開始の遅延因子を明らかにする.【対象と方法】院内発症脳梗塞89例(平均年齢 73.6±9.0歳)を,最終未発症から専門医の診療開始までが3時間未満の早期群とそれ以降の遅延群に分け,遅延群に関連する因子を多変量解析により検討した.【結果】早期群は37例で,その62.2%はiv-tPA禁忌に該当した.早期群は心房細動を有する者が多く(17例, 45.9%),第一発見者の78.4%が看護師であった.遅延群では画像撮影までの時間が長かったが,早期群においても平均53.6±31.2分を要した.多変量解析の結果,第一発見者が医師である場合は有意な遅延因子(OR=8.572)で,心房細動の存在は有意な遅延回避因子(OR=0.140)であった.【結論】遅延因子として,発見場所,第一発見者の職種,依頼科医師の対応の3点が重要と思われ,これらに注目した院内トリアージの構築,医療従事者への啓発・教育が重要と考えられた.

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© 2020 日本脳卒中学会
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