論文ID: 10875
要旨:【目的】脳卒中専門医不在の離島における急性期脳梗塞診療体制において,本土基幹施設との連携による脳卒中ホットラインシステム(I-SHOT)が,drip and ship(DS)症例へ及ぼす効果を検討する.【方法】I-SHOT の導入前(前期:2012~2016年)・導入後(後期:2017~2019年)でDS症例数・患者背景・door to needle time(DTN)・臨床転帰等を検討した.【結果】前期は年間0~1例で計3例であったが,後期は,2017年:3例,2018 年:7例,2019年:6例と急増し,計16例であった.DTNは,前期平均:118分に対し,後期は80分と短縮された.3カ月後のmodified Rankin Scale 0–2の割合は,前期67%に対し,後期56%であった.【結論】脳卒中非専門医のみが常勤する離島医療機関において,I-SHOT導入は,DS症例数増加に寄与した.