論文ID: 10915
76歳男性.2年前に右多発性脳梗塞で発症後,右内頸動脈狭窄症に対して右内頸動脈ステント留置術を施行された.経過中,再狭窄を3度繰り返したため,4回目の経皮的血管拡張術の際に再度右内頸動脈ステント留置術を施行したところ,術後軽度不穏となり,けいれん発作を認めた.CT上新たな出血は認めず,局所混合血酸素飽和度の左右比が逆転していたため,過灌流症候群と診断した.全身麻酔管理のもと,抗てんかん薬投与および厳重な血圧管理を行った.経過中,急性呼吸窮迫症候群を併発したが,術後14日目には抜管し,リハビリテーションを継続した.回復期リハビリテーション病棟を経て,術後88日目,独歩自宅退院となった.