脳卒中
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東京都島しょ小笠原諸島で発症した脳梗塞に対して“Drip, Ship, and Retrieve”を行った1例
堀野 雅祥 吉田 賢作宇藤 優菅 康郎肥後 拓磨後藤 英昭
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論文ID: 10964

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抄録

東京都立広尾病院は,東京都島しょ診療所と画像伝送システムを利用した診療支援を行っており,急を要する場合は当院へ航空搬送する.今回,当院から約1,000 km離れた小笠原村父島で発症した脳梗塞患者に対し“Drip, Ship, and Retrieve”を行った1例を経験した.症例は60代男性,小笠原村診療所に救急搬送され,頭部CT検査で脳梗塞急性期と診断された.当院脳卒中専従医に確認し,発症2時間後にrt-PA投与し航空搬送となった.発症12時間30分後に血管造影室に入室し血管内治療を行った.第30病日にmRS 5で回復期リハビリテーション病院へ転院,発症後5カ月mRS 4で自宅退院した.本例は諸家の報告と比べ長距離だが,島しょ診療所との協力で成し得た約1,000 kmの“Drip, Ship, and Retrieve”と血栓回収療法の適応時間拡充により血管内治療を行え,脳梗塞患者の予後を改善した.

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