論文ID: 10995
【背景および目的】脳梗塞に伴う急性症候性発作(ASS)の臨床的特徴と発症リスクを明らかにする目的で,脳梗塞多数例に対し,後ろ向きに検討した.【方法】当院に入院した脳梗塞急性期(TIAを除く)患者2,152名を対象に,7日以内にてんかん性発作を発症した例をASSとして抽出した.年齢,性別,既往歴,発症前mRSと退院時mRS,入院時NIHSS,脳梗塞病型(NINDS),発作型を評価項目とした.【結果】ASSは42例(2%)発症,けいれん発作83%,非けいれん発作17%,けいれんから非けいれん重積状態(NCSE)が32%であった.ASSの過半数は,脳梗塞発症24時間以内に発症した.ASS発症の独立したリスクは,入院時NIHSS≥10,感染症,入院前mRS 3–5であった.【結論】脳梗塞急性期のASSを早期に診断するため,積極的に脳波測定を考慮すべきである.