脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

内頚動脈閉塞後17年目に発生し破裂した真の後交通動脈瘤の1例
佐原 和真 松下 展久佐藤 裕一鈴江 淳彦蔭山 彩人羽星 辰哉泉谷 智彦
著者情報
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: 10998

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

真の後交通動脈瘤(true posterior communicating artery aneurysm: true PcomA aneurysm)の発生頻度は比較的稀とされている.今回我々は,内頚動脈閉塞後17年の経過で徐々に増大し,破裂した真の後交通動脈瘤の1例を経験した.症例は,73歳女性で,受診6日前に嘔吐で発症し,血管攣縮による運動性失語の増悪で受診した.脳血管撮影で,左後交通動脈に真の動脈瘤が認められた.発症6日後であり,血管攣縮も認められたため,コイル塞栓術を行った.結果的にはPcomAの一部が閉塞したが,前方循環からの灌流により明らかな脳梗塞が認められなかった.内頚動脈閉塞後に真の後交通動脈瘤が発生する報告はいくつかあり,内頚動脈閉塞例では長期にわたってフォローアップが必要であると考えられる.

著者関連情報
© 2022 日本脳卒中学会
feedback
Top