論文ID: 11012
【背景および目的】脳卒中患者の職場復帰に影響する因子について,両立支援コーディネーター支援事例を集積したデータベースを用いて検討した.【方法】2017年2月から2019年3月までに登録された脳疾患患者401例のうち,転帰不明と治療中と脳卒中以外を除外した337例を対象とした.データベースは患者・家族・経済・職場・医療・復職時状況の6因子69項目で構成され,各項目2~5段階評価を行う仕様とした.復職先の「元事業場の元職務」を復職と定義し,χ2検定にて各変数における「復職」と「非復職」とで差があるか単変量解析を行った.【結果】復職には業務遂行機能,心理的因子,自己管理,経済因子などが関与したが,性別や年齢の関与は認めなかった.復職率は67.7%と良好であった.【結論】復職支援には,機能改善と心理的支援が重要であり,就労を目指した継続的なリハビリテーションと相談支援体制の構築が望まれる.