脳卒中
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ファスジル静脈投与が奏功した可逆性脳血管攣縮症候群の1例
植村 順一 井上 剛山下 眞史八木田 佳樹
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論文ID: 11045

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抄録

54歳,女性.トイレでいきんでいると突然後頭部に雷鳴頭痛が現れ,入浴時にも頭痛の増強があった.11日後,右足の脱力が出現し,頭部MRIで左頭頂葉に急性期脳梗塞巣,MRAで両側前大脳動脈,脳底動脈,両側後大脳動脈に多発性脳血管狭窄があり,加療のため入院した.RCVSと診断し,ニカルジピンを開始したが,脳梗塞は両側後頭側頭葉に拡大し,バリント症候群を呈した.入院5日目に右前頭葉,右側頭葉,右後頭葉に脳出血,硬膜下血種,くも膜下出血を認めた.入院6日目にベラパミルを開始したものの,入院10日目に頭部MRI DWIで脳梁右側に新規病変を認め,ファスジルの点滴を開始した.症状は急速に改善し,脳梁右側病変,血管狭窄も改善した.RCVSにファスジル静脈投与が有効であった報告例はなく,臨床的に重要と考えた.

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