論文ID: 11054
症例は86歳女性,右上下肢麻痺と複視を主訴に来院し,MRIで脳底動脈先端部に25.1 mm大の血栓化動脈瘤を認めた.椎骨動脈は右優位であり,右椎骨動脈でのバルーン閉塞試験(balloon occlusion test: BOT)で虚血耐性を確認した後に,右椎骨動脈閉塞術を施行した.術後,右上下肢麻痺および複視は次第に軽快し,MRIで瘤内の血流信号の消失と周辺浮腫の改善を認めた.脳底動脈先端部巨大血栓化動脈瘤に対し,血行動態の慎重な検討を行うことで,血管内治療によるflow alterationは有用な治療法となり得る.