脳卒中
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脳梗塞の後に皮膚症状が出現し,剣創状強皮症と診断した小児脳梗塞の1例
白石 渉 内山 大治阪本 宏樹松吉 彩乃波多野 武人橋本 哲也
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論文ID: 11060

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抄録

症例は13歳女性.5歳時に右半身の運動感覚障害を突然発症し,脳梗塞と診断された.若年性脳梗塞の原因を検索されたが,心疾患や血栓素因などは認めず,アスピリン内服で再発予防された.アスピリンは3年後に中止,その後は再燃なく経過していた.12歳時,再び突然発症の右上下肢麻痺を生じ,頭部MRIで左基底核に脳梗塞病変を認めた.各種原因を再検索されたが,心疾患,血栓素因,血管異常などは認めず,当科紹介となった.患者は左額から頭頂部にかけて皮膚陥凹と菲薄化,同部位の脂肪組織萎縮を認め,剣創状強皮症の所見だった.剣創状強皮症は一側の頭部に生じる限局性強皮症で,時に頭蓋内病変を伴う.本症例は剣創状強皮症の頭蓋内病変として脳梗塞様症状を呈したと考えられた.本症例は神経症状が皮膚症状に先行したため,診断に難渋した点が特徴的だった.

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© 2022 日本脳卒中学会

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