脳卒中
Online ISSN : 1883-1923
Print ISSN : 0912-0726
ISSN-L : 0912-0726

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

Mobile stroke unitとその車載用診断装置の最新動向
廣木 昌彦 河野 豊三澤 雅樹
著者情報
ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: 11138

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

最速の脳卒中治療とより良好な患者転帰を目的として,mobile stroke unit(MSU)が欧米を中心に運用されている.MSUは,頭部専用CT装置と遠隔通信装置を備えたドクターカーで,救急要請現場または救急車との合流点で,脳卒中の診断と治療および最適な搬送先決定を行う.MSUによる急性期脳梗塞rt-PA静注療法は2021年,通常救急搬送と比較した前向き試験により,有意に転帰良好であることが報告された.費用対効果の上昇も同様に明らかにされている.日本はMSUに搭載可能なCT装置が未承認であるため,MSU未導入である.今後承認されたとしても,導入および運用に関する巨額なコストなど,財政的な課題が待ち構えている.このことは,特に医療提供の低い地方部・遠隔地へのMSU導入には,大きな障壁である.本論文では,MSUの最新動向と課題解決に向けた現在開発,または検証中の車載用診断装置についてまとめた.

著者関連情報
© 2023 日本脳卒中学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
feedback
Top