脳卒中
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MRI拡散強調画像で診断し得たpure hand knob infarctionの1例
山髙 元暉 牧野 健作西岡 和輝眞上 俊亮中尾 保秋山本 拓史
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: 11188

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抄録

下垂手は,末梢神経障害の典型的な臨床症状とされているが,今回我々は,下垂手を主訴として来院した急性期脳梗塞に対して,血栓溶解療法を用いて良好な転帰をたどった症例を経験したので報告する.症例は75歳男性,突然の手関節より末梢の筋力低下を主訴に来院した.頭部MRIにて左運動野に限局する急性期脳梗塞を認め,rt-PAによる静注血栓溶解療法を行った.神経症状は急速に改善し.神経脱落所見なくmRS 0で自宅退院した.手指に限局する筋力低下を主訴とする脳梗塞は稀で,末梢性神経障害との鑑別が問題となる.手指機能は日常生活に大きく影響するため,脳虚血を原因とする場合には,適切な治療の早期介入が必須である.本症例は,早期の診断と治療介入により良好な転帰を得られた.

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© 2023 日本脳卒中学会

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