論文ID: 11233
54歳.男性.症候性右内頸動脈狭窄症に対して頸動脈ステント留置術が施行されていたが,抗血小板薬を2カ月間怠薬した結果,左片麻痺,構音障害,左上下肢感覚消失を主訴に救急搬送.右頸動脈ステント内閉塞と右内頸動脈C1部閉塞のtandem閉塞であった.前者に対して経皮的血管拡張術を施行後,後者に対して血栓回収を実施して再開通を認めたが,1.08 mmの狭小な右中大脳動脈M2遠位に新たな閉塞を認めた.麻痺に関わる責任血管と判断しマイクロカテーテルによるcontact aspirationを施行した結果,thrombolysis in cerebral infarction score 3の再開通が得られた.血栓回収機器の使用がはばかられる狭小なM2閉塞に対して,マイクロカテーテルでのcontact aspirationが有効な症例を経験した.