脳卒中
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妊娠後期に軽微な頭痛で発症し,産婦人科との連携で可逆性脳血管攣縮症候群と診断できた1例
浅野 剛平 植松 高史加藤 紀子大野 泰正安井 敬三
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論文ID: 11242

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抄録

患者は34歳,2経妊1経産の妊婦で産婦人科一次医療施設で管理されていた.妊娠35週4日目の妊婦健診にて,血圧137/101 mmHgで妊娠高血圧症候群と診断され,ニフェジピン内服を開始した.翌日,血圧の上昇と軽度の頭痛があり,周産期脳卒中センターを備える当院に搬送された.頭部MRI,MRAで異常を認めなかったが,血圧158/106 mmHgと高血圧を認めたためニカルジピン,硫酸マグネシウムを投与し,母体安全のため第2病日に帝王切開を行った.第3病日の頭部MRAで脳血管の攣縮を認めた.第4病日に頭痛が消失し血圧が正常化したことを確認し,第8病日に退院した.第13病日,外来での頭部MRAで攣縮の改善を認め,可逆性脳血管攣縮症候群(以下RCVS)と診断した.RCVS発症直後に脳血管攣縮や雷鳴頭痛を認めない症例が複数報告されており,RCVSを合併する妊産褥婦は実際の診断症例数より多いことが推察される.

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