脳卒中
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内頚動脈先端部閉塞で発症したduplicated middle cerebral artery領域の脳梗塞の一例
森山 拓也 岡﨑 周平清水 大輝和田山 智哉江左 佳樹白旗 恵美小川 拓也木村 陽子宇野 貴宏浅井 克則永野 恵子
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: 11297

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抄録

82歳女性.会話ができないことに家族が気づき,救急搬送.膀胱癌術後で発症前のactivities of daily living (ADL)は自立していた.来院時,麻痺はなく感覚性失語を認め,NIHSSスコアは5点.頭部CTで左側頭葉と頭頂葉に低吸収域を認め,CT血管撮影で左ICA閉塞が疑われたが,左MCAの一部は前交通動脈経由で描出があった.DSAでは左ICA造影でICA先端部に血栓透亮像を認めたが,左ICA造影と右ICA造影で描出されるMCAの形状が異なり,重複中大脳動脈閉塞による脳梗塞と診断した.血栓回収は行わず,保存的治療としたが,経時的に梗塞巣が拡大.膀胱癌再発による癌関連血栓症と診断し,NIHSSスコア27点で療養型病院へ転院した.重複中大脳動脈は稀な破格であり,閉塞時の診断は困難である.血管造影と臨床所見のミスマッチがある場合,破格の可能性を考慮し,正確な血行動態の把握することが血管内治療の適応判断や安全な施行につながると考えられる.

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