脳卒中
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血栓回収中にマイクロカテーテルで血管損傷し,遅発性くも膜下出血の発症にて脳動脈瘤の穿孔と判明した脳主幹動脈急性閉塞の1例
矢合 哲士 種村 浩山中 拓也市川 智教佐野 貴則石垣 共基小林 和人宮 史卓
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: 11300

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抄録

78歳女性.左片麻痺,意識障害で搬送され,右M1閉塞の診断でrt-PA静注療法および血栓回収療法の方針とした.術中,マイクロカテーテル(micro catheter: MC)が血管外に穿孔したが,ガイディングカテーテルから造影すると中大脳動脈は閉塞した状態で造影剤の血管外漏出はなく,Thrombolysis in Cerebral Infarction 0で終了した.術後8日目にくも膜下出血を発症し,右M1の再開通,M1分岐部の動脈瘤を認めた.脳動脈瘤破裂と判断し,開頭クリッピング術を施行した.動脈瘤は真性動脈瘤で血餅の付着を認め,M1やM2にMCによる穿孔の痕跡は認めず,MCは動脈瘤を穿孔したと考えられた.血栓回収術中に血管穿孔を来したが再開通が得られず造影剤の血管外漏出を認めなかった場合でも,脳動脈瘤の穿孔も念頭に置いて術後も再出血に注意し血圧管理や血管評価を継続することが重要である.

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