脳卒中
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脳血管障害と白質病変
赫 彰郎
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1995 年 17 巻 6 号 p. 481-488

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抄録

画像診断機器の進歩により, 脳血管障害でみる大脳白質病変は容易に把握できるようになった.しかしながら, その病態, 臨床的意義については未だ不明な点が多いので検討を試み, 以下の成績を得た.
1.側脳室周囲白質高信号域PVHの成因に関与する因子として加齢, 高血圧, 虚血性病変の存在が考えられた.
2.痴呆のない多発性脳梗塞にても, PVH例では大脳白質とともに, 前頭葉皮質, 特に帯状回前部での脳血流低下を認めた.
3.PET activation studyにて, 虚血性変化の強いPVH例では, 聴覚認知に関連する大脳皮質の機能低下を認めた.
4.多発梗塞性痴呆の前頭葉白質での細胞死のメカニズムにApotosisの関与が示唆された.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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