脳卒中
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部位を異にして再発を繰り返えした脳内血腫の1例
北川 達也水川 六郎高橋 和郎森本 益雄
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1980 年 2 巻 4 号 p. 388-391

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抄録
過去10カ月間に3回, 時と部位を異にして大脳皮質下の脳出血を来し, CTにより確認した53歳, 男性例を報告した.即ち, 昭和54年7月13日のCTでは左運動野から頭頂葉にかけての皮質下に, 同年12月4日には右前頭葉の皮質下に, 55年1月14日には右側頭葉後部の皮質下に出血巣を認めた.
大脳皮質下の再発性あるいは多発性脳出血の原因として, 転移性脳腫瘍, 小血管腫, 血管奇型, および全身的な膠原病, 消耗性疾患, 血液凝固系異常などが強調されているが, 本例では特に明らかな原因が見当らなかった.CT導入によって, この様な症例が今後増加してくるものと思われる.
過去10カ月間に3回, 左運動野から頭頂葉の皮質下, 右前頭葉皮質下, 右側頭葉後部皮質下と, 部位に異にして脳出血を繰り返えした53歳, 男子の症例を報告した.転移性脳腫瘍, 小血管腫, 血管奇型, 血液凝固系の異常などは認められなかった.数年来の軽度の高血圧, 軽度の肝障害, 腎障害がみられたが, 脳内血腫の原因は明らかでなかった.
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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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