脳卒中
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自宅で発症した美容院卒中症候群の1例
日常生活の頸部後屈により発症した脳梗塞
植田 明彦寺崎 修司永沼 雅基松浦 豊橋本 洋一郎平野 照之内野 誠
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2004 年 26 巻 3 号 p. 461-464

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抄録

症例は30歳男性.3年前よりソファーに寝そべり肘掛けから頭部を垂らし頸部を後屈させて,ドライヤーで髪を乾かす習慣があった.2002年12月2日,この姿勢で頸部を左に回旋させたところ,急に回転性のめまいが出現したため,当院を受診した.来院時,右注視方向性眼振,構音障害,顔面を含む右半身の温痛覚低下を認め,左延髄外側症候群を呈していた.MRIT2強調画像で左延髄外側に高信号域を認めた.左椎骨動脈V3部にMRIでinitimal flap,intramural hematomaを認め,脳血管造影では,string signを認めたため,椎骨動脈解離と診断した.近年,美容院での洗髪の際に頸部を後屈させた姿勢で発症する美容院卒中症候群(beauty parlor stroke syndrome)が注目されているが,本症例も同様の機序で発症したと考えられた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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